天下の三菱重工業 (7011)と言えど、
苦肉の策といえよう。
同社は、全従業員のうち約2,000人を一斉に
配置転換する方針を固めた。
リーマンショック以降では最大規模である。
受注が急減している航空機や造船関連の人員を稼働率が高い
他部門の拠点に移すようだ。
大手製造業は設備や人員に構造的な過剰問題を抱えている。
日本を代表する重工業の大手でも窮状を凌ぐためには、
長期の需要減を見込んだ合理化策は仕方がないのかも
しれない。
三菱重工業の2020年3月期の税引き前損益(国際会計基準)は、
スペースジェットの損失計上や自動車部品などの不振が
響いて326億円の赤字であった。
経済は好況と不況を繰り返えすのが歴史の常である。
コロナ禍の不況も過去の不況を耐え忍んだように、
乗り越えてもらいたい。
(日本経済新聞 2020年7月23日 朝刊 参照)