日本政策投資銀行(政投銀)は、
大企業向けなどの緊急対応融資を担う政府系の投資銀行である。
当該銀行が、再建をめざす日産自動車への融資に巨額の政府保証
をつけていたという。
日産向けの政投銀の融資は5月に決まった1800億円のうち、
1300億円について、「仮に返済が滞れば8割を国が実質補てんする」
という政府保証をつけた契約内容であった。
大企業への融資に対する政府保証はリーマンショック後の2009年には、
経営再建中の日本航空でも使用され、政投銀は約670億円を政府保証付きで貸付けたが翌年に日航が経営破綻して約470億円の国民負担が生じた例もある。
今回の日産への保証額は日航を大きく上回り、過去最大規模となるという。
日産はカルロス・ゴーン前会長の下で拡大路線を続け、
過剰投資が原因で収益が悪化している。
さらにコロナ禍が業績悪化に拍車をかけている状態である。
日産自動車の株式を購入するかは迷っている。
逆張りを狙う私にとっては魅力的な株価ではある。
しかし、上述の日本航空の例もある。
パイオニア時のように還付金が発生する場合もあるが、
タカタのように還付手続きができなかったケースもある。
ファンドや大手企業の救済を期待しているが、
現時点では救済情報はないのでしばらく様子を見たいと思う。
(朝日新聞 2020年9月7日 電子版 参照)