三菱系26社の会長・社長で構成する金曜会には内部に一定の序列が
あるようだ。
トップは重工、銀行、商事の御三家。
これに続くのが三菱電機やAGCなどの世話人会メンバーの10社で、
キリンもそのひとつである。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の100%子会社で、
明治安田生命保険は非上場の企業である。
上場している11銘柄を10月6日の終値ベースで比べると、
株価純資産倍率(PBR)が2倍を超えているのはただ1社キリン(2.05倍)しかなく、
東京海上ホールディングス(1.00倍)にとどまる。
残る7銘柄は三菱UFJFGの0.34倍はじめ
三菱マテリアルが0.54倍、
三菱重工が0.69倍と低空飛行を続けている。
ウォーレン・バフェットの投資で水準の切り上がった三菱商事株も0.72倍と、
解散価値に遠く届かない状態が続いている。
三菱グループの主要上場企業の純利益の合算額は2019年度までの10年間で
約2倍になった。
しかし、トヨタ自動車は約10倍に伸びた。
他社と比べても、「日本最強」を自負する企業集団の利益成長力は見劣りしてしまう。
三菱グループへの投資する価値はあるのだろうか。
私は、十分にあると考えている。
株式投資で利益を得るためには買う時より売る時の方が難しい。
右肩上がりの銘柄は売るときの判断が一層難しいのだ。
それより、一定のリズムで騰がったり、下がったりを繰り返す銘柄の方が
売却しやすい。
それは、「投資ではなくトレーディングだ」とつっこまれるかもしれないが、
自分の資産を増やすのはこの手法を繰り返して利益を確実に得る方法が
最も効果的であると考えている。
三菱グループへの投資は最適であると考える。
(日本経済新聞 2020年10月14日 電子版 参照)