折半出資するメディカロイド(神戸市)は、9月内にも国産初の手術支援ロボット
「ヒノトリ サージカルロボットシステム」を発売する予定である。
ヒノトリ サージカルロボットシステムは、ロボットアームに手術器具を取り付け、
医師の操作で人間には難しいきめ細かい動きが可能になる。
病変を切除する際は余分な傷や出血を減らし、患者の負担を抑えられる。医師の経験や技量の差によるばらつきもカバーする優れものである。
外科医療の人材不足が叫ばれる日本で、ヒノトリは強力な手助けとなるだろう。
手術支援ロボットは過去20年、米インテュイティブサージカルの
「ダビンチ」が国内外で独占状態だった。ただ、ダビンチの主要特許の多くが2019年に切れたことで市場は戦国時代に突入した。
ヒノトリには川重がFA(ファクトリーオートメーション)で培ったノウハウを注ぎ込んだ。詳細な比較は難しいが、アームの太さはダビンチを脚とすると、ヒノトリは腕ぐらいだそうだ。関節も多く、しなやかに動きアーム同士がぶつかりにくいとゆう利点がある。ロボットの動作データに異常がないか、手術室の外でチェックできるのもダビンチにない特長である。
医療現場にデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せていると思われる。
今後もロボットや人工知能(AI)、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」などの技術を手術や画像診断に相次ぎ導入されるだろう。
(日本経済新聞 2020年9月8日 電子版 参照)