中国の債務残高は日本のバブル期超え

2008年のリーマン・ショックをはじめ、

景気減速のたびに財政出動や、

企業に積極的な投資を促して

政府が掲げた高い成長目標を達成してきた。

国際決済銀行(BIS)によると、

金融機関以外の民間債務は最近5年間、

年1割超のペースで増え、

直近で35兆ドル(約3850兆円)を超える。

特に

不動産は銀行の関連融資残高が5年で2.1倍に膨らんだ。

この結果、

中国の民間債務残高の国内総生産GDP)比は220%に達し、

日本がバブル崩壊直後につけたピーク(218%)を上回る。

融資残高全体に占める不動産向けの割合も今の中国が3割弱と、

21~22%台だった日本のバブル期より高い

日本のバブル期は不動産だけではなく株式にもお金が向かった。

しかし、

中国の上海総合指数の水準は10年前比で1.5倍程度にとどまり、

不動産への集中ぶりが透ける。

上昇が続くことが前提だった住宅価格が下がり始めれば、

借金で購入した富裕層や在庫を抱える

不動産会社による売却が急増しかねない。

価格の下落は債務を抱える不動産会社の資金繰りをさらに悪化させ、

住宅着工などが細ることになる。

中国共産党

2021年7月末の中央政治局会議で

2021年後半の経済運営方針に不動産価格の安定を盛った。

過度な値下がりに対し直接介入を辞さない姿勢だが、

不動産市況の調整は金融機関の

不良債権増を通じて中国経済が長く低迷する

要因になりかねないと思われる。

日本経済新聞 参照)

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