住宅ローン減税の控除率の「1%」の妥当性。

住宅ローン減税をめぐる政府内の見直し議論が活発になっている。

政府・与党は2021年度の税制改正で13年間の控除を認める特例の延長を議論する方向だが、隠れた重要な論点もある。低金利の中で控除率の「1%」は妥当なのかどうかである。

会計検査院が問題視しており、2020年以降の税制改正論議で焦点になる可能性もある。

2019年11月に会計検査院は決算検査報告で,「国民の納得できる必要最小限のものになっているか検証が望まれる」と、住宅ローン減税について指摘した。

住宅ローン減税は、

年末の借入残高の1%が所得税から控除される仕組みである。控除額は最大で年40万円、期間は10年間。認定長期優良住宅などは年50万円に拡充される優遇措置もある。

 

現在の住宅ローン減税制度は2021年末に期限を迎える。財務省は今冬の政府・与党の議論の俎上に上げたい考えだが、新型コロナウイルスの流行を受け利用者の負担増につながる話には与党内の反対論が強い。財務省は提起する時期を慎重に見極める予定である。

戸建て住宅やマンションを購入する際、当然視しがちな「1%」も不変ではないと考えて議論すべきである。

日本経済新聞 2020年10月3日 電子版 参照)

 

 

住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本

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  • 作者:千日 太郎
  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

東京証券取引所が終日取引停止に陥る。

2020年10月1日、

東京証券取引所での売買は終日取引停止に陥った。

システムのバックアップが機能しなかったことが主因である。

基本的な情報などを格納するディスク内のメモリーが故障したことが原因だが、

もう一つのディスクへの切り替えが円滑にいかなかった。

2012年のシステム障害でもバックアップが機能しない問題が発生しており、

同じ要因が繰り返された。

 

東京証券取引所によると、

2010年に導入した高速取引システム「アローヘッド」では、銘柄名やその日の

基準値段など基本的な情報を格納しているディスクが2つあり、「共有ディスク装置」と呼ばれる。今回は午前7時4分に1号機のディスクの故障を検知。

通常は、1号機と同じ情報を書き込んでいる2号機に自動的に切り替わるが、

バックアップがうまくいかなかった。

 

システムのバックアップを巡っては、

東証では2012年2月にも情報配信システムで障害が発生している。

1台のサーバーに障害が発生し、別のサーバーに処理を切り替えたつもりだったが、

失敗し同日午前中の一部銘柄の取引停止につながったのである。

 

東証では10月2日からの取引を再開したが、

当面はディスク装置を人手で監視して、強制的に切断するなど取引に影響が起こらないように対応するという。

日本経済新聞 2020年10月1日 朝刊 参照)

 

システム障害対応の教科書

システム障害対応の教科書

 

資格・検定団体のデジタル化。

資格・検定団体の経営を

新型コロナウイルスの感染拡大が圧迫している。

特に国家試験は「室内、近距離、長時間」のペーパー試験での感染リスクがあり、

多くが中止に追い込まれた。

厚生労働省から託され試験を実施する一部民間団体は

「インターネットを利用した遠隔受験」を提案したが、同省は難色を示している。

国家試験では不正対策は譲れず、遠隔受験システムで不正を絶対に防げるのか、

疑問だからでる。

 

一方、金沢工業大学の杉光一成教授は、

「オンラインでパソコンに表示し、受験者はスマホで回答する。スマホのカメラで自身を録音・録画してもらい、データを後で人口知能(AI)に分析させることで不正をかなり防げるため、資格・検定試験のデジタル化を進めるべきだ」

と主張しておられる。

 

海外では資格の遠隔受験が始まている。

米国ニューヨーク州司法試験ではペーパー試験を中止し、

ネットとカメラ、AIを用いた遠隔方式で実施することを決定した。

 

未来の士業はAIとの協業であろうと予想される。

単なる知識の詰め込みで暗記力を問う試験制度より

デジタル技術を活用した試験形式に変えた方が時代に適う能力を

判定できると思われる。

日本経済新聞 2020年10月1日 朝刊 参照)

 

 

 

 

基準地価が3年ぶりの下落。

2020年9月29日、

国土交通省が発表した基準地価(7月1日時点)は、

全国の全用途平均で3年ぶりの下落となった。

都市部の開発をけん引した訪日客需要が消失し都心商業地の減速感が強まった。

一方で新たな不動産価値も生まれつつあるが、地価押し上げ効果は限られている。

 

この基準地価算定は、コロナの影響を織り込んだ最初の大規模な地価調査となる。

全用途をみると、全国平均は0.6%の下落とマイナスに転じた。三大都市圏は昨年の2.1%上昇から横ばいに、地方圏は下落率が0.5ポイント拡大し0.8%のマイナスになった。全国約2万カ所の調査地点のうち、下落地点数の割合は48%から60.1%と5年ぶりに6割を超えた。上昇地点数は21.4%にとどまった。

コロナ感染の影響がくっきり浮かんだのは商業地である。全国平均は昨年の1.7%上昇から0.3%の下落に落ち込んだ。住宅地も全国で0.7%の下落だったが、落ち込みは商業地の方が大きい。

2020年の基準地価は、

昨年後半と今年前半とで基調が一変したところに特徴がある。

公示地価(1月1日時点)と重なる1605地点で比べると、商業地は昨年7月から今年1月に2.5%上昇したものの、コロナの影響があった今年1~7月は1.4%の下落。住宅地も0.8%の上昇から0.4%の下落に転じている状況である。

 

コロナの影響がやはり基準地価に影響を与えてきた。

地価の下落が金融危機を招かないことを願いたい。

日本経済新聞 2020年9月30日 朝刊 参照)

 

 

 

 

NTTはNTTドコモを完全子会社にする。

NTT は上場子会社のNTTドコモを完全子会社にする。

両社は2020年9月29日、取締役会で決定した場合に速やかに公表すると発表した。

菅義偉首相が掲げる携帯電話料金の値下げも見据え、経営を効率化するのである。

 

一般株主が持つ3割強の株式をTOB(株式公開買い付け)で取得する。

投資額は4兆円超とみられ、国内企業へのTOBとしては過去最大規模となる。

グループ一体で次世代通信規格「5G」やIoTへ投資し、世界での成長につなげるのが狙いである。

NTTはドコモ株の66.2%を保有している。残り約34%の株式をTOBで取得する。TOB時には株価にプレミアム(上乗せ幅)を乗せる。プレミアムが一般的な3割強とすると、買収規模は4兆円を超え日本最大規模となる。

ドコモはTOB終了後に上場廃止になる見通しである。

親会社と子会社が共に上場する親子上場は、

親会社と子会社の一般株主との利害が一致せず、グループ全体として

相乗効果が上げにくいことがある。完全子会社化で子会社の一般株主との

利益相反関係を解消できる。

 また、NTTはドコモの経営判断を素早くし、NTTコミュニケーションズなど他の

NTTグループ会社との連携を強化する。

 

 TOBがかかると低位株保有者にとってはメリットが大きい。

あっとゆう間に資金が回収できるからである。

TOBのニュースが出るたびにバリュー投資を心がけようと思う。

日本経済新聞 2020年9月29日 電子版 参照)

 

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キオクシアホールディングス。

2020年10月6日に予定していた

半導体メモリ大手旧東芝メモリホールディングスが改名した

キオクシアホールディングス

東京証券取引所への上場を延期する方針を固めた。

大口取引先である中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)に対する米政府の取引規制で先行きへの不透明感が高まっていることが主な原因である。

米中摩擦の影響が、日本企業の資金調達など経営戦略にも及び始めたようだ。

 

キオクシアHDはスマートフォン向けフラッシュメモリーの売上高が全体の約4割

を占める。

米商務省による中国のファーウェイに対する半導体輸出規制が発効され、

それ以降のファーウェイ向けの売り上げを計上できなくなるという。

キオクシアHDの連結売上高で、ファーウェイ向けは数%程度を占める。

キオクシアHDに約40%出資する東芝は、上場によって得られる株式の売却益の過半を株主還元する方針を打ち出している。

しかし、今回の上場延期によって、その計画にも狂いが生じる可能性がある。

 

キオクシアHDは9月28日に公募・売り出し価格を発表する準備を進めていた。

上場が実現すれば、時価総額は1兆5千億円超が見込まれ、2020年で最大の新規株式公開(IPO)になる見通しであった。

 

私は、新規株式公開(IPO)には投資しないことにしている。

上場してから5年程度は様子を見て割安株として魅力的になってからゆっくりと

投資をする。

これは、ベンジャミン・グレアムの教えである。

日本経済新聞 2020年9月28日 朝刊 参照)

 

 

 

家計の現預金30兆円の活用。

日本国内の消費の低迷が続いている。

先進主要国の小売売上高を見ると6月にはコロナ前の水準を上回っているが、日本は7月になっても下回ったままだ。

政府の資金支給などもあり家計の現預金は3月末以降に30兆円も積み上がったにもかかわらず消費は回復していない。

消費のマグマをどう動かすか、は日本経済回復の鍵になると

思われる。

 

家計消費は、

2020年4~6月期で266兆円(名目、年率換算)と1~3月期から9%減った。

名目GDP国内総生産)に占める割合は52.7%と1~3月に比べ0.5ポイント

低下。

直近の7月の小売売上高は6月比3%の減少である。

 

一方、欧米は回復している。

厳しいロックダウン(都市封鎖)を5月から解除すると、6月には早くも経済協力開発機構OECD)加盟国の平均がプラスに転じている。

 

積み上がる貯蓄を消費に向かわせ、

必要以上の落ち込みを避けるには消費現場の

デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する必要があると

思われる。

日本経済新聞 2020年9月27日 電子版 参照)