2020年10月1日、
東京証券取引所での売買は終日取引停止に陥った。
システムのバックアップが機能しなかったことが主因である。
基本的な情報などを格納するディスク内のメモリーが故障したことが原因だが、
もう一つのディスクへの切り替えが円滑にいかなかった。
2012年のシステム障害でもバックアップが機能しない問題が発生しており、
同じ要因が繰り返された。
東京証券取引所によると、
2010年に導入した高速取引システム「アローヘッド」では、銘柄名やその日の
基準値段など基本的な情報を格納しているディスクが2つあり、「共有ディスク装置」と呼ばれる。今回は午前7時4分に1号機のディスクの故障を検知。
通常は、1号機と同じ情報を書き込んでいる2号機に自動的に切り替わるが、
バックアップがうまくいかなかった。
システムのバックアップを巡っては、
東証では2012年2月にも情報配信システムで障害が発生している。
1台のサーバーに障害が発生し、別のサーバーに処理を切り替えたつもりだったが、
失敗し同日午前中の一部銘柄の取引停止につながったのである。
東証では10月2日からの取引を再開したが、
当面はディスク装置を人手で監視して、強制的に切断するなど取引に影響が起こらないように対応するという。
(日本経済新聞 2020年10月1日 朝刊 参照)