日本郵政は、
豪の物流子会社、トール・ホールディングスの
一部事業の売却を検討している。
業績不振が続き、自主再建は難しいと判断した。
トールを中核とした海外事業を拡大する戦略は軌道修正を迫られる結果
となった。
2015年に約6200億円を投じて傘下に収めたトールは、
経営難により2017年3月期には約4000億円の損失を計上していた。
トールは新型コロナウイルスの流行による取扱量の落ち込みやサイバー攻撃被害で、
2020年3月期にも営業赤字に陥っていた。
2018年にはトールと折半出資で物流会社を日本で新設し、
同社が持つノウハウの取り込みを狙ってきた。
ただ、現時点では利益面でも事業面でも目立った成果は出ていない。
新型コロナで物流需要の早期回復が見通せないため、
一部事業を売却して採算を重視する方針に転じたのである。
トール全体を売却する計画もあるという。
日本郵政は8月12日までに、国内外の複数の金融機関に対し、
売却を含めた経営再建案の提示を求めた。
早急に国内外1社ずつの金融機関をファイナンシャル・アドバイザー(FA)として選定し、売却の実務を担う交渉を本格化させる見通しである。
日本郵政は巨大持ち株会社であり、売却できる産業を数多く傘下に保有している。
これらを売却してでも、少しずつ再建に向かって歩んで欲しいと思う。
株主として応援している。
(サンケイビズ 参照)