垂直農法という、
高層建築物のなかで農業を行う手法が世界で注目を集めている。
従来型の農業のコストが上昇し続けるなか
天候や地形に制約されることがないため、
人口問題と環境問題への有効な対処法とされている
新たな農業のスタイルである。
米国の市場調査会社「Grand View Research」のリポートによれば、
全世界の垂直農法の市場規模は2025年に99億ドル(約1兆円)に達するそうだ。
垂直農法はまだ初期段階にある分野だが、
海外ではすでに巨額の資金調達に成功したスタートアップ企業が出始めている。
植物工場の無人化システムまで開発されている。
このシステムでは建物の内部構造に基づき植物工場の建設プランを作成することができ、種まき、根分け、日常管理等はすべて無人化できるという。
無人化のほか、農薬の使用量を減らすこともできる。
植物を使用したバイオリアクター開発、家庭用のプランター、教育用の植物工場展示場業務などもあり、関連産業も数多く存在する。
今後、新たな不動産の活用法として都心で植物工場が普及する
とも考えられるので、日本の企業の動向に注目しておきたいと思う。
(日本経済新聞 2020年8月13日 電子版 参照)