フォートナイトの開発元である
エピックゲームズが
アップルを訴えていた訴訟の一審判決は
勝負がつかなかった。
米連邦地裁は
アップルのアプリ配信事業が独占にあたるとするエピック側の主張を退けた一方、
課金ルールについては反競争的だとして見直しを命じた。
エピック側は
アップルのアップストアは
約10億人のユーザーを抱えながら、
iPhoneなどのアップル製品内に
閉じていて競争相手がいないと主張。
アップルは
他社製スマートフォンやゲーム専用機などを
含むより広い市場の範囲で
競争が行われていると反論していた。
判事はどちらの主張にも同意せず、
関連市場の範囲を
デジタルモバイルゲーム取引と定義した。
この定義に基づくアップルの市場シェアは55%以上に達し、
高い利益率を享受していることも認めた。
そのうえで「これらの要素だけで連邦法である
反トラスト法(独占禁止法)違反を示すことにはならない」
とも指摘し、
「エピックはアップルが違法な独占企業であることを証明できなかった」
と結論づけた。
アップルは
自社の課金システムを介して
アプリ事業者から15~30%の配信手数料をとっているが、
今後もこの事業モデルを継続できる。
アップルは有料アプリから手数料を徴収することで
20年に約200億ドル(約2兆2000億円)の収益をあげ、
粗利益率は8割近くに達したとみられている。
アップル関連の企業は世界中にある。
アップルの株価が下落する訴訟には注視したいと思う。
(日本経済新聞 電子版)