外資系不動産ファンドの過熱感。

日本の不動産市場は欧米に比べコロナ禍の打撃が小さく、

相対的に高いリターンが見込める。

故に、アジア系PAGは最大8000億円の投資を決めており、

海外勢の関心が高まっている。

カナダに本社を置く不動産投資ファンドのベントール・グリーンオーク(BGO)

は今後2~3年で最大1兆円を投じる計画である。

2019年には武田薬品工業から大阪市内の本社ビルなどをまとめて取得した。

今後、コロナ禍で業績が悪化した企業が不要な不動産や、非中核事業である不動産子会社を売る動きが加速するとみられるため、外資系の大手不動産ファンドが日本で大型投資に踏み切っているのである。

 

在宅勤務の定着により需要減が懸念されるオフィスビルにも投資する。

不動産会社ユニゾホールディングスから東京・麹町の大型オフィスビルを取得した。

コロナ禍で打撃を受けたホテルにも関心を示す。割安なホテルをまとめて買い、旅行需要が回復した後に売却するのである。

 

一方で、資金力のある海外勢による投資が拡大すれば高値づかみのリスクも増す。

物流施設では電子商取引拡大への期待から高値取引が続いており、

この過熱感は実体を伴っているのか否かが定かではない。

コロナ禍が長引いて銀行の財務が傷めば、不動産市場も大きく収縮する危険性

があるだろう。

日本経済新聞 2020年10月13日 朝刊 参照)

 

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