少数の特定顧客の資金を運用する比較的小規模な
投資ファンドである。
登録や届出、情報開示の点で規制が緩いのが特徴である。
アルケゴス・キャピタルは
緩い規制のもとで
小規模ファンドであるにもかかわらず
多額の資金を運用していた。
アルケゴスが多額の投資資金を運用できたのは
トータルリターンスワップという取引による。
トータルリターンスワップは
金融機関に比較的高い手数料を払う代わりに、
その金融機関から資金を調達し、
その調達資金で投資を行うものである。
通常のレバレッジ取引と異なり、
株式の保有名義はアルケゴスではなく金融機関となり、
投資による利益や損失はアルケゴスに移転される。
つまり、全体の利益を交換する契約なのである。
アルケゴスはこうした契約を複数の金融機関と結ぶことで、
少ない資金で多額の株式運用を行っていた。
一部報道によると
アルケゴスの運用資産は100億ドル前後であるものの、
トータルリターンスワップにより
実際の運用規模は10倍の1000億ドルを超えるまでに
膨らんでいたと言われている。
一度、
債務不履行が起こると損失が膨大に膨らむ構図
が垣間見える。